簿記一級を勉強してよくわからなかった論点の一つが
「総記法」
です。
いろいろネットで調べたのですが、あんまりぴんと来なかったので、自分なりにひも解いてみました。
この記事では、簿記三級で習う分記法を用いて、総記法が何なのか?を解説していきます。
総記法とはどんなものなか?
総記法を理解するのには、分記法と比較しするとわかりやすいです。
総記法の前に分記法の解説
一応、簿記3級で習うのですが、分記法を簡単に解説していきます。
分記法では、商品を仕入れたとき
【商品】
という勘定科目を借方に"資産"として計上します。
例えば、ひとつ@100円の商品10個を掛けで仕入れた時は
勘定科目 | 金額 | 勘定科目 | 金額 |
商品 | 1,000 | 買掛金 | 1,000 |
です。
次にこの仕入れた商品10個のうち、8個を"ひとつ120円"で掛け販売したら
一つ100円のものを120円で売ったので、商品1つあたりの収益が20円です。
20円×8個=160円
勘定科目 | 金額 | 勘定科目 | 金額 |
売掛金 | 960 | 商品 | 800 |
商品売買益 | 160 |
となります。
この【商品売買益】がそのままP/L上での"売上総利益"(儲け)になります。
ただこの"分記法"は、現実的な仕訳の方法ではありません。
なぜか?
会社や企業において、もちろんスーパーや飲食店でも、商品売買は期中に何度も行われます。
それが本業なので当然です。
しかもほとんどの会社は
なんて企業はすくなくて、ほとんどの企業が、豊富な種類の商品を大量に取り扱っています。
その大量な商品を売るたびに、
- それぞれの商品の売上原価を調べる
- 売上との差額を計算する
- 商品売買益を出す
は全く現実的ではありません。
メチャクチャ手間がかかります。
そこで、もっと現実的な仕訳方法のうちの一つが総記法です。
とはいっても今は三分法のほうがメジャーですけど。
総記法を解説
それでは、総記法を解説していきます。
仕入れた時の仕訳は分記法と同じです。
総記法が分記法と違うのは、『商品を売った場合』です。
売上た金額を、商品売買益とは区別せずに、そのまま全額を【商品】勘定にして仕訳します。
8個の商品を1個120で掛けで売った場合 、(分記法の例と同じ条件と金額です。)
勘定科目(借方) | 金額 | 勘定科目(貸方) | 金額 |
売上 | 960 | 商品 | 960 |
何が違うかというと、 分記法でいうところの【商品売買益】も含めて全部【商品】として処理するわけです。
この方法だと、売上原価を商売のたびに毎回計算して求める必要がなくなります。
しかしこのままだと、決算日に【商品売買益】を出さないといけません。
商品売買益がそのまま売上総利益(儲け)なので、商品売買益を求めないと、当期の利益を出せません。
つまり、貸方にある【商品】のうち儲けに当たる部分を、【商品売買益】の勘定科目に振り替える必要があります。
勘定科目(借方) | 金額 | 勘定科目(貸方) | 金額 |
商品 | ×× | 商品売買益 | ×× |
という決算整理仕訳が必要です。
そのためには【商品売買益】の金額を計算してから、その金額で仕訳をする必要があります。
その【商品売買益】の金額を導き出す公式が、この公式です。
商品売買益=商品勘定の決算整理前残高(前T/B)(貸方残高)+期末商品棚卸高
商品売買益=期末商品棚卸高ー商品勘定の決算整理前残高(前T/B)(仮方残高)
この公式を紐解いていかないと、総記法は理解できません。
それはこちらの記事で紹介します。
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